60歳以上の外傷性肩関節前方脱臼のMRI
「はじめに」高齢者の肩関節外傷性前方脱臼は頻度が少ない. さらに, そのMRIに関する報告は少ない. そこで, 今回60歳以上の肩関節外傷性前方脱臼にMRIを施行する機会を得たので, そのMRI像について, 若干の文献的考察を加えて報告する. 使用したMRIは, Philips社製GYROSCAN T5-II 0.5Tおよび, Siemens社製MAGNETOM IMPACT 1.5Tで, 原則として肩関節下垂位内外旋中間位でsurface coilを使用した. 撮像条件は, スライス幅4~5mmで, spine cho法によるT1強調画像(SE法, TR=550, TE=20), T2強調画...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 4; pp. 1145 - 1151 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1996
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」高齢者の肩関節外傷性前方脱臼は頻度が少ない. さらに, そのMRIに関する報告は少ない. そこで, 今回60歳以上の肩関節外傷性前方脱臼にMRIを施行する機会を得たので, そのMRI像について, 若干の文献的考察を加えて報告する. 使用したMRIは, Philips社製GYROSCAN T5-II 0.5Tおよび, Siemens社製MAGNETOM IMPACT 1.5Tで, 原則として肩関節下垂位内外旋中間位でsurface coilを使用した. 撮像条件は, スライス幅4~5mmで, spine cho法によるT1強調画像(SE法, TR=550, TE=20), T2強調画像(SE法, TR=1800~500, TE=85~100)および1肩にfield gradient echo法によるFE画像(FE法, TR=509, TE=20, flip angle=35°)を用いた. 対象 対象は, MRIの得られた60歳以上の肩関節外傷性前方脱臼6例6肩である. 4例4肩は初回脱臼で, 脱臼後2日~12日でMRIを施行した(1肩のみ5ヵ月後). 単純X線にて, 1肩に大結節骨折, 1肩に臼蓋前下縁の骨折を認めた. 2例2肩は反復性肩関節前方脱臼で, 反復性脱臼に対する手術後3年および3.5年の時点でMRIを施行した. 症例1:73歳女性 平成6年6月転倒し右肩を打撲. 肩関節前方脱臼(初回)の診断にて無麻酔徒手整復施行(鎮痛剤の筋注下). 2日後にMRI施行. |
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ISSN: | 0037-1033 |