慢性関節リウマチにおける抗核抗体
「はじめに」慢性関節リウマチ(以下RA)の原因についてはいまだ不明の部分が多く, 臨床の場においてもその本体がつかめず治療法等について苦慮することもしばしばである. 近年, 自己免疫疾患患者の抗核抗体を利用することで細胞内の未知の巨大分子の構造や機能が解明されるようになり6), 自己抗体の研究は臨床リウマチ学にとって重要な位置をしめるようになってきた. そこで今回はRA患者の抗核抗体検査を行ない, その意義について模索した. 対象および方法 当科外来通院中のclassicalまたはdefinite RA患者109名を対象とした. 内訳は女性95名, 男性14名で年令は23才~87才, 平均59...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; pp. 983 - 986 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1997
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」慢性関節リウマチ(以下RA)の原因についてはいまだ不明の部分が多く, 臨床の場においてもその本体がつかめず治療法等について苦慮することもしばしばである. 近年, 自己免疫疾患患者の抗核抗体を利用することで細胞内の未知の巨大分子の構造や機能が解明されるようになり6), 自己抗体の研究は臨床リウマチ学にとって重要な位置をしめるようになってきた. そこで今回はRA患者の抗核抗体検査を行ない, その意義について模索した. 対象および方法 当科外来通院中のclassicalまたはdefinite RA患者109名を対象とした. 内訳は女性95名, 男性14名で年令は23才~87才, 平均59.3才(女性58.2才, 男性66.5才)であった(表1). 罹病期間の平均は12.6年(女性12.7年, 男性11.7年)であった. これらについて抗核抗体とリウマチ因子(以下RF)の検索を行った. RFが変動することは良く知られているが, 今回は今までの計測値での最大値を採用した. 抗核抗体の測定回数は多い者で数回であったが, これも陰性から1280倍と変化するものもあった. これも最も強い陽性値を採用した. |
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ISSN: | 0037-1033 |