血液透析患者における人工骨頭置換術の術後成績
「はじめに」血液透析患者における人工骨頭置換術は従来の報告では骨の脆弱性, 易感染性などによる成績不良例が散見される. 今回, 我々は当科において人工骨頭置換術を施行した血液透析患者18例を検討し報告する. 対象 対象は平成4年2月より平成8年2月までに当科にて人工骨頭置換術を施行した18例である. 男性4例, 女性14例, 年齢は40才~88才平均73.6才であった. 透析歴は1ヵ月~17年であり, 平均透析期間は6.4年であった. 17例が大腿骨頚部内側骨折で1例のみ大腿骨頭壊死であった(表1). 手術時間は49分~112分, 平均72.3分であった. 平均出血量は183.8mlであり,...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; pp. 1016 - 1018 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1997
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」血液透析患者における人工骨頭置換術は従来の報告では骨の脆弱性, 易感染性などによる成績不良例が散見される. 今回, 我々は当科において人工骨頭置換術を施行した血液透析患者18例を検討し報告する. 対象 対象は平成4年2月より平成8年2月までに当科にて人工骨頭置換術を施行した18例である. 男性4例, 女性14例, 年齢は40才~88才平均73.6才であった. 透析歴は1ヵ月~17年であり, 平均透析期間は6.4年であった. 17例が大腿骨頚部内側骨折で1例のみ大腿骨頭壊死であった(表1). 手術時間は49分~112分, 平均72.3分であった. 平均出血量は183.8mlであり, 9例に輸血を行った. 骨セメントは比較的若年であった大腿骨頭壊死の症例以外全例使用した(表2). 結果 術後経過観察期間は, 6ヵ月~4年6ヵ月で平均2年1ヵ月であった. 調査時6例が死亡しており, 手術から死亡までの期間は6ヵ月~3年, 平均1年10カ月であった. 術前歩行能力は, 独歩10例, 杖歩行1例, 伝い歩行3例, 歩行器3例, 車椅子1例であったが, 調査時又は死亡前歩行能力は独歩4例, 杖歩行5例, 歩行器3例, 車椅子1例, 寝たきり5例となっており, 術前の歩行能力まで回復した症例は18例中6例(33%)であった. また, 経時的にレントゲン検査を施行された15例についてレントゲンを検討した. |
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ISSN: | 0037-1033 |