甲状軟骨形成術I型術後に挿入物を除去した症例
「はじめに」甲状軟骨形成術I型は一側性声帯麻痺に行われる外科的治療のひとつで, 音声の改善や誤嚥症状の改善を目的として行われる. 今回, 一側性声帯麻痺に対して甲状軟骨形成術I型を施行し, 音声および誤嚥症状は改善したものの, 頸部違和感が強く挿入物を除去した1例を経験した. 挿入物除去後も発声時の声門閉鎖は得られ, 音声の聴覚心理的評価, 音響分析ともに良好な状態が保たれている. 本症例を呈示し, 経過中の音声評価について報告を行う. 「症例呈示」69歳男性 主訴 : 音声改善手術後の頸部違和感 既往歴 : 高血圧, 大動脈解離, 胃食道逆流症, 睡眠時無呼吸症候群 現病歴 : 2008年急...
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Published in | 喉頭 Vol. 27; no. 1; pp. 31 - 33 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本喉頭科学会
01.06.2015
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ISSN | 0915-6127 |
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Summary: | 「はじめに」甲状軟骨形成術I型は一側性声帯麻痺に行われる外科的治療のひとつで, 音声の改善や誤嚥症状の改善を目的として行われる. 今回, 一側性声帯麻痺に対して甲状軟骨形成術I型を施行し, 音声および誤嚥症状は改善したものの, 頸部違和感が強く挿入物を除去した1例を経験した. 挿入物除去後も発声時の声門閉鎖は得られ, 音声の聴覚心理的評価, 音響分析ともに良好な状態が保たれている. 本症例を呈示し, 経過中の音声評価について報告を行う. 「症例呈示」69歳男性 主訴 : 音声改善手術後の頸部違和感 既往歴 : 高血圧, 大動脈解離, 胃食道逆流症, 睡眠時無呼吸症候群 現病歴 : 2008年急性大動脈解離の術後より嗄声, 誤嚥があり当科を受診した. 左声帯は開大位で固定し左声帯麻痺と診断した. 発声時の声門間隙を生じ聴覚心理的評価G2R2B2A0S0, 最長発声持続時間 (MPT) 5秒, 自己満足度は3/10点であった. |
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ISSN: | 0915-6127 |