RAOに対するPLLAスクリューの使用経験
「はじめに」寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)は前期~進行期までの変股症に対して, 特に骨頭が球形であれば, キアリー骨盤骨切りや棚形成などの臼蓋形成術に比べて, 優れていると思われる. しかし, 移動臼蓋並びに移植骨片の固定に関して, KWによる固定では種々の問題が生じると思われた. そのため我々は, 最近PLLAスクリュー(商品名FIXSORB)を使用している. 今回は6例と少数の経験であるが, その問題点について, 検討を加えたので報告する. K-W固定の問題点:抜去が必要である. 前方に置くとき術後早期の可動域訓練に支障が出る. 固定力が不足する可能性がある. 以上の3点が考えられるが,...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; pp. 990 - 992 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1997
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)は前期~進行期までの変股症に対して, 特に骨頭が球形であれば, キアリー骨盤骨切りや棚形成などの臼蓋形成術に比べて, 優れていると思われる. しかし, 移動臼蓋並びに移植骨片の固定に関して, KWによる固定では種々の問題が生じると思われた. そのため我々は, 最近PLLAスクリュー(商品名FIXSORB)を使用している. 今回は6例と少数の経験であるが, その問題点について, 検討を加えたので報告する. K-W固定の問題点:抜去が必要である. 前方に置くとき術後早期の可動域訓練に支障が出る. 固定力が不足する可能性がある. 以上の3点が考えられるが, PLLAスクリューでは, 抜去の必要がなく, 可動域制限の原因とならず, また, 初期の固定性は十分であると考えられる. PLLAスクリューの問題点:手術侵襲が大きくなる. 金属スクリューに比べて強度不足による, 術中破損が生じる. 12週以後の強度低下による固定力不足による癒合不全, 骨吸収, 遅発性無菌性腫脹1), が考えられる. そこで我々の症例で検討してみた. 対象と方法 対象は昭和60年8月より平成8年7月までにRAOを施行した25例27関節で, 男性3例女性22例である. 年齢は13歳~58歳(平均30.6歳), 疾患は前期~進行期変股症である. |
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ISSN: | 0037-1033 |