多施設 (38施設) 調査に基づくラジオ波治療の現状と問題点

肝細胞癌に対するラジオ波治療 (RFA) の現状と, RFAに伴う合併症および死亡例の内容と頻度を明らかにすることを目的として, 大阪肝穿刺生検治療研究会の会員を中心に38施設, 43診療科のアンケート結果について解析を行った. 1999年1月より2002年5月までにRFAは, 経皮的に2542例, 腹腔鏡的に23例, 開腹下に49例, 計2614例に対して3891回の治療が施行された. 合併症は, 2614例中207例 (7.9%) に見られ, 3カ月以内の死亡例は9例(0.3%) に見られた. 死亡例は, 肝不全3例, 急性増悪・肉腫化3例, 胆管損傷・消化管出血・急性心筋梗塞が各1例であ...

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Published in肝臓 Vol. 44; no. 12; pp. 632 - 640
Main Authors 春日井, 博志, 大崎, 往夫, 岡, 博子, 工藤, 正俊, 関, 寿人, 大阪肝穿刺生検治療研究会
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.12.2003
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Summary:肝細胞癌に対するラジオ波治療 (RFA) の現状と, RFAに伴う合併症および死亡例の内容と頻度を明らかにすることを目的として, 大阪肝穿刺生検治療研究会の会員を中心に38施設, 43診療科のアンケート結果について解析を行った. 1999年1月より2002年5月までにRFAは, 経皮的に2542例, 腹腔鏡的に23例, 開腹下に49例, 計2614例に対して3891回の治療が施行された. 合併症は, 2614例中207例 (7.9%) に見られ, 3カ月以内の死亡例は9例(0.3%) に見られた. 死亡例は, 肝不全3例, 急性増悪・肉腫化3例, 胆管損傷・消化管出血・急性心筋梗塞が各1例であった. 1カ月あたりの症例数が多い診療科での合併症・死亡が少なかった. RFAの合併症は, 経験を重ねることにより減らすことができる可能性がある.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.44.632