ロッキング様症状を呈したfabello-femoral osteoarthritis (fabella OA) の1例

ロッキング様症状をきたしたfabello-femoral osteoarthritisに対して, fabella摘出により症状の改善が得られた1例を経験したので報告する. 症例は68歳女性. 右膝窩部の引っかかり感と疼痛が出現し, ロッキング様症状を認めるようになったが自然整復していた. しかし, その後も症状が持続するため当科紹介受診となった. 身体所見では, 右大腿骨後外側に圧痛があり, 単純Xp, CTにて大腿骨外側顆後面, 腓腹筋外側頭内にfabellaが存在し, fabello-femoral関節に変性変化を認めた. MRIにて, 同部位に軟骨欠損を認めた. 疼痛とロッキング様症状が...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 4; pp. 644 - 647
Main Authors 浦田泰弘, 岡元信和, 中村英一, 西岡宏晃, 唐杉樹, 山部聡一郎, 井手尾勝政, 浦上勝, 水田博志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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Summary:ロッキング様症状をきたしたfabello-femoral osteoarthritisに対して, fabella摘出により症状の改善が得られた1例を経験したので報告する. 症例は68歳女性. 右膝窩部の引っかかり感と疼痛が出現し, ロッキング様症状を認めるようになったが自然整復していた. しかし, その後も症状が持続するため当科紹介受診となった. 身体所見では, 右大腿骨後外側に圧痛があり, 単純Xp, CTにて大腿骨外側顆後面, 腓腹筋外側頭内にfabellaが存在し, fabello-femoral関節に変性変化を認めた. MRIにて, 同部位に軟骨欠損を認めた. 疼痛とロッキング様症状が持続しfabello-femoral関節に変性変化があり, キシロカインテストで疼痛が消失したためfabella OAと診断した. 関節鏡で大腿骨外側顆後面にfabellaのmirror lesionと考えられる軟骨欠損を伴う陥凹様変化を認めた. 関節内に遊離体は認めなかった. 膝窩部後外側皮切にて直視下に14×12mm大のfabellaを摘出した. fabellaの表面には軟骨の欠損があり骨棘を形成していた. 術後より症状は消失した. 大腿骨外側顆後面に陥凹様変化があることからfabellaの同部位への陥頓によりロッキング様症状が生じたと推察される.
ISSN:0037-1033