めまいの診断と治療

「1. はじめに」めまいの診断と治療に関する最近のトピックスとしては, 日本めまい平衡医学会やBarany学会から各種診断基準や疾患分類が提唱され, 旧日本平衡神経科学会のめまいの分類に関する1987年答申の改訂が進みつつある点が挙げられる. 本稿では, めまいを理解するために必要な基礎知識を解説した上で最近提案された急性めまいの診断アルゴリズム, メニエール病の新診断基準, 良性発作性頭位めまい症の新分類(いずれも日本めまい平衡医学会), 前庭性片頭痛の診断基準, 持続性知覚性姿勢誘発めまいの診断基準(いずれもBarany学会)に関して解説する. 特に後者の二つは欧米では比較的高頻度に見られ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 3; pp. 227 - 233
Main Author 堀井新
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.2018
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ISSN0030-6622

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Summary:「1. はじめに」めまいの診断と治療に関する最近のトピックスとしては, 日本めまい平衡医学会やBarany学会から各種診断基準や疾患分類が提唱され, 旧日本平衡神経科学会のめまいの分類に関する1987年答申の改訂が進みつつある点が挙げられる. 本稿では, めまいを理解するために必要な基礎知識を解説した上で最近提案された急性めまいの診断アルゴリズム, メニエール病の新診断基準, 良性発作性頭位めまい症の新分類(いずれも日本めまい平衡医学会), 前庭性片頭痛の診断基準, 持続性知覚性姿勢誘発めまいの診断基準(いずれもBarany学会)に関して解説する. 特に後者の二つは欧米では比較的高頻度に見られるとされているが, 上記1987年答申には含まれておらず日本ではあまりなじみのない疾患である. 「2. めまい理解のための生理学」「1)眼球運動の分類」眼球運動は表1のように分類される. 衝動性眼球運動は視標の速い動きに対応し, 日常最もよく使う眼運動である.
ISSN:0030-6622