当科におけるSolitary fibrous tumor (SFT) の予後調査

【目的】SFTの予後を調査し, 予後に影響を与える因子について検討すること. 【対象と方法】1995~2011年までに当科で治療を行った8症例のうち経過観察し得た7例(男性2例, 女性5例)を対象とした. 原発巣は頭部1例, 頸部2例, 肘1例, 臀部1例, 大腿2例だった. これら7症例の初回手術の内容, 転移・局所再発の有無, 腫瘍学的転機を調べた. また組織学的にはEnglandの基準による悪性度評価および上皮系マーカーを含めた免疫染色を行った. 【結果】7例中4例に転移を認め悪性転機をたどった. 初回手術で完全切除できた症例に再発・転移をみとめなかった. 腫瘍学的転機はAWD 2例,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 4; pp. 685 - 687
Main Authors 宮田倫明, 富田雅人, 松尾洋昭, 近藤超子, 小林恭介, 白石和輝, 馬場秀夫, 林徳真吉, 木下直江, 尾崎誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
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Summary:【目的】SFTの予後を調査し, 予後に影響を与える因子について検討すること. 【対象と方法】1995~2011年までに当科で治療を行った8症例のうち経過観察し得た7例(男性2例, 女性5例)を対象とした. 原発巣は頭部1例, 頸部2例, 肘1例, 臀部1例, 大腿2例だった. これら7症例の初回手術の内容, 転移・局所再発の有無, 腫瘍学的転機を調べた. また組織学的にはEnglandの基準による悪性度評価および上皮系マーカーを含めた免疫染色を行った. 【結果】7例中4例に転移を認め悪性転機をたどった. 初回手術で完全切除できた症例に再発・転移をみとめなかった. 腫瘍学的転機はAWD 2例, NED 1例, CDF 1例, DOD 1例, DOOD 2例だった. 組織学的にEnglandの悪性基準を満たしていたのは4例だったが, 臨床的な予後とは関連していなかった. 【考察】SFTの多くは胸膜に発生し予後良好と言われているが, 四肢発生のSFTは悪性症例も少なくない. 予後を左右する因子としては初回手術が重要であると考えた.
ISSN:0037-1033