携帯情報端末 (PDA) を用いたピッキングサポートシステムと調剤個数記入による調剤エラーの防止

「緒言」調剤ミスに起因する調剤関連インシデントが患者にもたらす不利益は極めて大きく, その防止は最重要課題として取り組むべきである. これまでも調剤ミス防止に関する様々な取り組みがなされてきた. 例えば, 薬剤のビジュアル化による調剤過誤防止の試みや調剤・監査方法の提案, さらには調剤関連インシデントの因子分析などが挙げられる. しかしながら, 依然として近年でもなお患者が死亡するような重大な医療事故は起きている. 人為的ミスを注意喚起のみで完全に防ぐことは困難であるが, 医療において事故は起きてはならず, 患者が安心して高度な医療を受けることができるようになるためにも, これまで以上のリスク...

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Published in医療薬学 Vol. 43; no. 8; pp. 430 - 437
Main Authors 神崎浩孝, 田中雄太, 小沼利光, 西原茂樹, 真鍋洋平, 井上知美, 井上誠子, 力丸理菜, 村川公央, 北村佳久, 千堂年昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療薬学会 10.08.2017
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ISSN1346-342X

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Summary:「緒言」調剤ミスに起因する調剤関連インシデントが患者にもたらす不利益は極めて大きく, その防止は最重要課題として取り組むべきである. これまでも調剤ミス防止に関する様々な取り組みがなされてきた. 例えば, 薬剤のビジュアル化による調剤過誤防止の試みや調剤・監査方法の提案, さらには調剤関連インシデントの因子分析などが挙げられる. しかしながら, 依然として近年でもなお患者が死亡するような重大な医療事故は起きている. 人為的ミスを注意喚起のみで完全に防ぐことは困難であるが, 医療において事故は起きてはならず, 患者が安心して高度な医療を受けることができるようになるためにも, これまで以上のリスクマネジメントが求められている. 近年, 調剤機器の開発研究が著しく進展し, デジタルツールの活用やロボット機器開発が行われている. それらは医療安全の向上に大きく貢献できる新しいツールやシステムとして期待されている.
ISSN:1346-342X