脳内出血で発症した側脳室髄膜腫の1例
髄膜腫は, 一般に良性で緩徐な発育をするため急激な発症をすることは少なく, ことに出血発作で発症することはまれである. 今回我々は, 急激な頭痛にて発症し, 緊急入院後CTにて左側脳室腫瘍, 脳内出血および脳室出血を認め, また血管写で腫瘍陰影辺縁に造影剤の血管外漏出を認め, 剔出した病理組織よりfibroblastic meningiomaと診断した症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 <患者>69才, 男性 主訴:頭痛, 意識障害 家族歴・既往歴:特記すべきことなし 現病歴:1983年6月頃より軽度の痴呆を認めたが特に症状の進行はなく, 日常生活に支障はなか...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 25; no. 2; pp. 115 - 118 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1985
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ISSN | 0470-8105 |
Cover
Summary: | 髄膜腫は, 一般に良性で緩徐な発育をするため急激な発症をすることは少なく, ことに出血発作で発症することはまれである. 今回我々は, 急激な頭痛にて発症し, 緊急入院後CTにて左側脳室腫瘍, 脳内出血および脳室出血を認め, また血管写で腫瘍陰影辺縁に造影剤の血管外漏出を認め, 剔出した病理組織よりfibroblastic meningiomaと診断した症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 <患者>69才, 男性 主訴:頭痛, 意識障害 家族歴・既往歴:特記すべきことなし 現病歴:1983年6月頃より軽度の痴呆を認めたが特に症状の進行はなく, 日常生活に支障はなかった. 1983年12月20日入浴後突然頭痛を訴え, その後つじつまの合わないことを言い出し嘔吐を伴うため, 救急車にて緊急入院した. 入院時所見:意識は不穏昏迷状態でGCS E2, V2, M4であり, 神経学的所見として失語症および軽い右片麻痺が認められた. |
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ISSN: | 0470-8105 |