高齢者(75歳以上)の腰部脊柱管狭窄症の手術成績とその問題点について

「はじめに」日本人の平均寿命が伸びた現在, 高齢者を治療する機会が増えてきている. 高齢者の腰部脊柱管狭窄症に対する手術は, 青壮年者に比べ種々の問題がある. 今回われわれはその手術症例について罹病期間, 合併症の有無, 術式の選択, 術前・術後の重症度, 術後成績など高齢者における特徴を検討した. 対象および方法 1981年以降に手術を行い, 術後1年以上追跡可能であった48例を対象とした. 男性26例, 女性22例, 年齢は75歳から84歳(平均77.6歳)であった. 変性性狭窄症(以下LCS)は34例, 男性20例, 女性14例, 年齢は75歳から84歳(平均77.8歳), 変性すべり症...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 1; pp. 145 - 147
Main Authors 濱浪一則, 今井健, 石井秀典, 小西明, 角南義文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」日本人の平均寿命が伸びた現在, 高齢者を治療する機会が増えてきている. 高齢者の腰部脊柱管狭窄症に対する手術は, 青壮年者に比べ種々の問題がある. 今回われわれはその手術症例について罹病期間, 合併症の有無, 術式の選択, 術前・術後の重症度, 術後成績など高齢者における特徴を検討した. 対象および方法 1981年以降に手術を行い, 術後1年以上追跡可能であった48例を対象とした. 男性26例, 女性22例, 年齢は75歳から84歳(平均77.6歳)であった. 変性性狭窄症(以下LCS)は34例, 男性20例, 女性14例, 年齢は75歳から84歳(平均77.8歳), 変性すべり症(以下DSL)は14例で男性6例, 女性8例, 年齢75歳から81歳(平均77.4歳)であった. 罹病期間は1カ月から30年(平均6年4カ月), 術後観察期間1年から11年9カ月(平均5年1カ月)であった. 術前・術後の重症度としてJOA scoreおよび歩行能力を調べ, 術後の歩行能力は平成7年5月現在の状態を電話にて調査した. 歩行能力の評価を優(長距離歩行可能), 良(屋外歩行なるも短距離のみ), 可(屋内歩行のみ可能), 不可(歩行不可能)の4段階で判定し, 術後成績の評価は平林の改善率を用いた.
ISSN:0037-1033