腎不全患者における股関節疾患の治療経験
「はじめに」近年, 慢性腎不全患者は血液透析や腎移植などにより長期延命が可能となってきた. それに伴い合併してくる治療に難渋する骨病変が問題となっている. 今回, 血液透析を行なったり腎移植をうけた腎不全患者の股関節及び股関節周囲疾患について問題点を調べた. 対象 対象は最近5年間に整形外科疾患で手術した腎不全患者34例のうち, 股関節及び股関節周囲疾患10例である. 男性6例, 女性4例で, 年齢は29才から81才, 平均54.3才であった. 手術までの平均透析期間は9年3カ月. 平均術後経過期間は2年9カ月であった. 各症例の内訳は, 大腿骨頸部骨折3例, 大腿骨頭壊死2例, 大腿骨頭壊死...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 1; pp. 173 - 176 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1999
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」近年, 慢性腎不全患者は血液透析や腎移植などにより長期延命が可能となってきた. それに伴い合併してくる治療に難渋する骨病変が問題となっている. 今回, 血液透析を行なったり腎移植をうけた腎不全患者の股関節及び股関節周囲疾患について問題点を調べた. 対象 対象は最近5年間に整形外科疾患で手術した腎不全患者34例のうち, 股関節及び股関節周囲疾患10例である. 男性6例, 女性4例で, 年齢は29才から81才, 平均54.3才であった. 手術までの平均透析期間は9年3カ月. 平均術後経過期間は2年9カ月であった. 各症例の内訳は, 大腿骨頸部骨折3例, 大腿骨頭壊死2例, 大腿骨頭壊死に続発する変形性股関節症2例(1例は急速破壊型股関節症タイプ), 股関節部異所性石灰化症3例であった. これらの症例について術後経過を中心に検討した. 結果 大腿骨頸部内側骨折2例のうち, CanulatedCancellous Screw(CCS)による骨接合術を行なった1例は偽関節となった. セメント使用による人工骨頭置換術を行なった1例は経過良好である. |
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ISSN: | 0037-1033 |