成人患者におけるL-カルボシステイン(ムコダイン(R))のドライシロップ剤および錠剤を対象とした服用性に関する調査

「緒言」 薬物治療において使用される製剤には経口剤, 外用剤, 注射剤が存在する. なかでも経口剤は最も汎用され, 薬物治療における患者のQOLに寄与している. しかし, その服用性は, コンプライアンスおよび治療効果に大きく影響する. 経口剤には, 錠剤, カプセル剤, 散剤, 顆粒剤および液剤などの剤形があるが, これまで剤形別の服用性に関する調査が報告され1~6), いずれの報告においても錠剤が最も服用しやすく, 散剤, 液剤は服用しにくいという結果であった. 例えば, カプセル剤:唾液分泌量や摂取水分が少ないと口腔内や咽喉に付着しやすい 散剤:服用時にこぼれやすく, 口腔内の広がりや残...

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Published in医療薬学 Vol. 38; no. 7; pp. 414 - 422
Main Author 伊東明彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療薬学会 10.07.2012
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ISSN1346-342X

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Summary:「緒言」 薬物治療において使用される製剤には経口剤, 外用剤, 注射剤が存在する. なかでも経口剤は最も汎用され, 薬物治療における患者のQOLに寄与している. しかし, その服用性は, コンプライアンスおよび治療効果に大きく影響する. 経口剤には, 錠剤, カプセル剤, 散剤, 顆粒剤および液剤などの剤形があるが, これまで剤形別の服用性に関する調査が報告され1~6), いずれの報告においても錠剤が最も服用しやすく, 散剤, 液剤は服用しにくいという結果であった. 例えば, カプセル剤:唾液分泌量や摂取水分が少ないと口腔内や咽喉に付着しやすい 散剤:服用時にこぼれやすく, 口腔内の広がりや残留感, 喉への付着が懸念される 顆粒剤:義歯の間に入り不快であり, 時に痛みを伴う シロップ剤:計量がわずらわしく, 多量ではむせやすく, 味も気になる などの問題点が指摘されている. 一方で, 錠剤は大きさや形状がその服用性に影響する7~8)ことや嚥下機能の低下した患者では服用に困難を生じるなどが指摘されてきた9).
ISSN:1346-342X