対側椎骨動脈(VA)閉塞をきたしている右椎骨動脈巨大動脈瘤(VGA)の1例

「はじめに」 椎骨動脈巨大脳動脈瘤(vertebral artery giant aneurysm: VGA)は, 治療困難な頭蓋内血管病変の1つであろう. 今回, 対側椎骨動脈が閉塞している治療困難なVGAの1例を経験したので報告する. 「症例」 患者: 36歳, 男性. 主訴: 意識障害. 家族歴・既往歴: 特記すべき既往なし. 現病歴: 2009年11月9日自宅で倒れているところを発見され, 当院へ救急搬送となる. 入院時所見, 意識10/JCS. 不穏が強く, 脳局症状は認めず(H&K grade III, WFNS grade IV). 頭部CTではテント下にやや厚いくも膜下...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 41; no. 5; pp. 373 - 378
Main Authors 長谷川真作, 谷川緑野, 遠藤純男, 伊藤圭佑, 桶田理喜, 津村貢太朗, 岩井良成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 30.09.2013
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Summary:「はじめに」 椎骨動脈巨大脳動脈瘤(vertebral artery giant aneurysm: VGA)は, 治療困難な頭蓋内血管病変の1つであろう. 今回, 対側椎骨動脈が閉塞している治療困難なVGAの1例を経験したので報告する. 「症例」 患者: 36歳, 男性. 主訴: 意識障害. 家族歴・既往歴: 特記すべき既往なし. 現病歴: 2009年11月9日自宅で倒れているところを発見され, 当院へ救急搬送となる. 入院時所見, 意識10/JCS. 不穏が強く, 脳局症状は認めず(H&K grade III, WFNS grade IV). 頭部CTではテント下にやや厚いくも膜下出血(SAH)を認めた(Fig. 1). 脳血管撮影では, 右VAに30mm大の紡錘状巨大脳動脈瘤を認め, blebを数カ所認めた(Fig. 2A). 後下小脳動脈(PICA)は描出されず, 同領域は前下小脳動脈(AICA)により灌流されていた.
ISSN:0914-5508