大腿骨骨折におけるCCGバンドの使用経験

「はじめに」Compression Cerclage Cundolf(以下CCGバンド)は,人工股関節置換術等における大転子の固定,骨移植,骨折等の固定を行うチタン性バンド状の骨接合材である.今回,当院において,大腿骨骨折患者3名にCCGバンドを使用したので報告する.「方法」CCGバンドは,幅7.7mm,長さ27cm,厚さ0.5mmのバンド状の骨接合材であり,インストゥルメントとして,サークルタイトナー,ループオールの大及び小がセットとなっており,長管骨における斜骨折,螺旋骨折,転位した第3骨片を有する骨折の締結に適応がある.手術手技も簡単で,まず骨把持器にて患部を保持した後,ループオ-ルをC...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 2; pp. 262 - 265
Main Authors 川添泰弘, 坂田浩章, 高野晴夫, 池辺顕嗣朗, 梅村武寛, 岡嶋啓一郎, 前川清継
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1997
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」Compression Cerclage Cundolf(以下CCGバンド)は,人工股関節置換術等における大転子の固定,骨移植,骨折等の固定を行うチタン性バンド状の骨接合材である.今回,当院において,大腿骨骨折患者3名にCCGバンドを使用したので報告する.「方法」CCGバンドは,幅7.7mm,長さ27cm,厚さ0.5mmのバンド状の骨接合材であり,インストゥルメントとして,サークルタイトナー,ループオールの大及び小がセットとなっており,長管骨における斜骨折,螺旋骨折,転位した第3骨片を有する骨折の締結に適応がある.手術手技も簡単で,まず骨把持器にて患部を保持した後,ループオ-ルをCCGパンドに引っかけ,患部を包み込む.次にCCGバンドをサークルタイトナーのトレー部に通し,ハンドルを回しながら締め上げていく.締め上げが完了したら,余分なバンドをcutし,折り曲げる.以上の操作で完了である(図1)「症例」症例1:89歳 女性 転倒し,左大腿骨頚部骨折受傷.受傷時,大きく剥離転位した小転子を認める(図2-A).人工骨頭置換術時に,大転子を0.7mm wireにて締結し,転位した小転子及び,中枢の斜骨折部を,CCGバンドにて固定した(図2-B).2カ月後,大転子wiring部は,骨片の上方への転位を認めるが,CCGバンドの固定性は良好である(図2-C).
ISSN:0037-1033