小動物臨床における半導体レーザーを使った無麻酔, 局所麻酔手術

「要旨」小動物獣医療では, 高齢のため治療時に全身麻酔を選択しにくい症例が増加している. 通常, それらの症例に対しては対処療法が選択されるが, 半導体レーザーを使用することにより, 無麻酔または局所麻酔下で, 積極的に完治を目指すことが可能となった. 本稿では, 体表腫瘍および口腔内疾患に対する無麻酔または局所麻酔下レーザー治療を紹介する. 「1. 緒言」近年になって, 動物病院では老齢動物を診察することが少なくない. それはワクチン接種率や寄生虫予防率が向上して, ペット動物の飼育環境の衛生化が進んだこと, ペットフードの質が科学的根拠の元に改善されたことなどの理由で, 長生きする動物が現...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 28 - 32
Main Author 井上等
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 15.05.2014
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Summary:「要旨」小動物獣医療では, 高齢のため治療時に全身麻酔を選択しにくい症例が増加している. 通常, それらの症例に対しては対処療法が選択されるが, 半導体レーザーを使用することにより, 無麻酔または局所麻酔下で, 積極的に完治を目指すことが可能となった. 本稿では, 体表腫瘍および口腔内疾患に対する無麻酔または局所麻酔下レーザー治療を紹介する. 「1. 緒言」近年になって, 動物病院では老齢動物を診察することが少なくない. それはワクチン接種率や寄生虫予防率が向上して, ペット動物の飼育環境の衛生化が進んだこと, ペットフードの質が科学的根拠の元に改善されたことなどの理由で, 長生きする動物が現われたためであろう. その老齢動物が抱える疾患も, ヒトと同様, 腫瘍性疾患, 循環器疾患である. 最近の獣医麻酔学の発展は目覚ましく, 獣医麻酔学会が技術講習会を開催して技術の向上に努めていること, 心電計, 血圧計等の各種生体情報モニターが安価に導入可能になった.
ISSN:0288-6200