頚椎黄色靭帯石灰化症を伴う脊髄症の治療経験
「はじめに」頚椎黄色靭帯石灰化症(CYL)は靭帯内の石灰化により脊髄症を呈する比較的稀な疾患である. 今回我々は当院にて手術を施行したCYLを伴う脊髄症の8例を経験したので報告する. 「対象および方法」対象は97年から99年迄の3年間に当院にて手術を施行したCYLを伴う脊髄症8例(男性5例, 女性3例)である. 年齢は45~82歳(平均66.3歳), 罹病期間は1~98ケ月(平均21.4ケ月), 術後経過観察期間は5~34ケ月(平均14.3ケ月)であった. 8例中, CYL単独例は1例で, 他の7例は頚椎症を合併していた. また, 胸椎黄色靭帯骨化症合併例が1例あった. 手術は4例に椎弓形成術...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 1; pp. 26 - 28 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2001
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ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」頚椎黄色靭帯石灰化症(CYL)は靭帯内の石灰化により脊髄症を呈する比較的稀な疾患である. 今回我々は当院にて手術を施行したCYLを伴う脊髄症の8例を経験したので報告する. 「対象および方法」対象は97年から99年迄の3年間に当院にて手術を施行したCYLを伴う脊髄症8例(男性5例, 女性3例)である. 年齢は45~82歳(平均66.3歳), 罹病期間は1~98ケ月(平均21.4ケ月), 術後経過観察期間は5~34ケ月(平均14.3ケ月)であった. 8例中, CYL単独例は1例で, 他の7例は頚椎症を合併していた. また, 胸椎黄色靭帯骨化症合併例が1例あった. 手術は4例に椎弓形成術を行い, 残りの4例は椎弓切除を行った. これらの症例について臨床症状, 画像所見, 病理組織学的所見, 術後成績について検討した. 術後成績はJOA score, 及び平林の改善率を用いた. 「結果」術前臨床症状では全例に上肢の知覚障害, 筋力低下, 痺れを認めた. 巧緻運動障害はCYL単独例を除く8例中7例に認めた. |
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ISSN: | 0037-1033 |