動脈血酸素飽和度測定装置の耳鼻咽喉科領域での使用経験
「緒言」 呼吸状態を左右する器官を対象としている耳鼻咽喉科医にとり, 動脈血中の酸素飽和度の情報は極めて重要である. 近年患者に苦痛を与えることなく動脈血中の酸素飽和度を測定できる装置が開発され呼吸管理に有用であるとの報告がなされている1)2). われわれはこの動脈血酸素飽和度測定装置の耳鼻咽喉科領域での臨床応用の可能性について検討したので報告する. 「装置の概要」 使用した機器は, 動脈血酸素飽和度測定装置(図1)で, 重さは, 900g, 大きさは, 12×5.5×20cmである. 指先, 耳垂にプローブ(図2)を装着すると約10秒後に測定結果(左)が脈拍数(右)とともに表示される(図3)...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 92; no. 6; pp. 931 - 1003 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本耳鼻咽喉科学会
20.06.1989
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ISSN | 0030-6622 |
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Summary: | 「緒言」 呼吸状態を左右する器官を対象としている耳鼻咽喉科医にとり, 動脈血中の酸素飽和度の情報は極めて重要である. 近年患者に苦痛を与えることなく動脈血中の酸素飽和度を測定できる装置が開発され呼吸管理に有用であるとの報告がなされている1)2). われわれはこの動脈血酸素飽和度測定装置の耳鼻咽喉科領域での臨床応用の可能性について検討したので報告する. 「装置の概要」 使用した機器は, 動脈血酸素飽和度測定装置(図1)で, 重さは, 900g, 大きさは, 12×5.5×20cmである. 指先, 耳垂にプローブ(図2)を装着すると約10秒後に測定結果(左)が脈拍数(右)とともに表示される(図3). 測定は5秒毎に連続的に行われ, 紙にプリントすることも可能である. 本体内にはデータメモリー機能が備わっており最長12時間分のデータを蓄えることができる. 測定は酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの各波長における吸光係数の違い(図4)を利用している3). |
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ISSN: | 0030-6622 |