特発性大腿骨頭壊死症に対する骨頭温存手術成績の検討

「はじめに」特発性大腿骨頭壊死症(以下ANF)は比較的若年者の発症が多く,できるだけ骨頭を温存する方法が望まれる.我々は,当院において施行した骨頭温存手術の成績について検討したので,若干の文献的考察を加え報告する.「対象および方法」対象は1979~'95年の17年間に手術施行し,1年以上経過観察できた男11名12関節,女3名4関節,計14名16関節である.その年齢は20~65歳(平均37.2歳),術後経過観察期間は1~17年(平均5.4年)であった.ANFの原因としては特発性8関節,ステロイド性5関節,アルコール性3関節であった.病期はStage II:12関節,Stage III:...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 1; pp. 163 - 165
Main Authors 福村憲司, 谷口良康, 牧信哉, 濱里雄次郎, 岡村一幸, 有島善也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1997
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」特発性大腿骨頭壊死症(以下ANF)は比較的若年者の発症が多く,できるだけ骨頭を温存する方法が望まれる.我々は,当院において施行した骨頭温存手術の成績について検討したので,若干の文献的考察を加え報告する.「対象および方法」対象は1979~'95年の17年間に手術施行し,1年以上経過観察できた男11名12関節,女3名4関節,計14名16関節である.その年齢は20~65歳(平均37.2歳),術後経過観察期間は1~17年(平均5.4年)であった.ANFの原因としては特発性8関節,ステロイド性5関節,アルコール性3関節であった.病期はStage II:12関節,Stage III:4関節,厚生省特定疾患研究班の病型分類に従うと,type I-B,5関節,I-C,9関節,II,1関節,III-B,1関節であった.手術として杉岡式回転骨切術を10関節に,血管柄付腸骨移植術を6関節に施行した.以上の症例に対して杉岡式回転骨切術群(以下杉岡式群)と血管柄付骨移植術群(VIBG群)に分け,各々の術前術後の評価を日整会股関節機能判定基準(以下JOA score)に基づき評価検討を行った.「結果」杉岡式群で術前平均60.8より術後平均77.1に,VIBG群では術前平均60.2より術後平均79.7に改善を認めた.
ISSN:0037-1033