上腕骨近位端骨折に対するLCP(Locking Compression Plate)による内固定

我々は, 上腕骨近位部骨折における関節内骨折例または透視下での整復不能例に対しては, 観血的整復, 内固定術(ORIF)を行っている. 一昨年よりsynthes社LCPを用いており, 本プレートの利点, 問題点にっいて検討した. 症例は男性6例, 女性1例, 平均年齢53.4歳で, 骨折型はAO分類:A2-1例, B1-1例, B2-1例, C2-3例, C3-1例であった. 術後成績はJOAs coreで平均80.7点であった. 3例で内反変形の進行, screwのcutoutを認めた. LCPは10cking機構によるangular stabilityおよびlooseningの軽減が期待で...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 58; no. 1; pp. 111 - 115
Main Authors 村田雅和, 古市格, 宮田倫明, 穂積晃, 久芳昭一, 前田和政, 松村陽介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2009
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Summary:我々は, 上腕骨近位部骨折における関節内骨折例または透視下での整復不能例に対しては, 観血的整復, 内固定術(ORIF)を行っている. 一昨年よりsynthes社LCPを用いており, 本プレートの利点, 問題点にっいて検討した. 症例は男性6例, 女性1例, 平均年齢53.4歳で, 骨折型はAO分類:A2-1例, B1-1例, B2-1例, C2-3例, C3-1例であった. 術後成績はJOAs coreで平均80.7点であった. 3例で内反変形の進行, screwのcutoutを認めた. LCPは10cking機構によるangular stabilityおよびlooseningの軽減が期待できる. しかしその安定性ゆえに, 骨質が脆弱な症例や, 関節内骨片の固定がscrew先端のみで不十分な症例にたいしては, 術後の再転位によりscrewのcut outを起こしうることを念頭におく必要がある. 「はじめに」上腕骨近位端骨折の治療においては積極的保存療法の報告もある2)が, 我々は年齢, 全身および局所合併症, 骨折型, 徒手整復状態から手術治療の適応を判断し, 術式はK-wireも含めた髄内釘固定, プレート固定, 人工骨頭置換から選択している.
ISSN:0037-1033