高齢者のmicrosurgery手術の検討

「はじめに」人口構成の高齢化に伴い, 高齢者の高度な組織損傷や難治性疾患が増加してきた. このため機能温存を目的としたmicrosurgery手術の必要性が増している. そこで今回, 高齢者に対するmicrosurgery手術の特徴と問題点を報告する. 対象と方法 1995年9月より現在までにmicrosurgeryを応用した70歳以上の高齢者9例10肢を対象とした(表1). いずれも男性であった. 再建術式は, 遊離複合組織移植が3例4肢, 再接着が2例2指, 血行再建が2例2肢, 神経縫合が2例2指であった. これらの症例に対し術中所見, 術中, 術後合併症, 生着率について調査した. 結...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 3; pp. 978 - 981
Main Authors 梶山史郎, 酒井和裕, 弓削大四郎, 三村寛, 中村克巳, 貴船雅夫, 大塚和孝, 東栄治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」人口構成の高齢化に伴い, 高齢者の高度な組織損傷や難治性疾患が増加してきた. このため機能温存を目的としたmicrosurgery手術の必要性が増している. そこで今回, 高齢者に対するmicrosurgery手術の特徴と問題点を報告する. 対象と方法 1995年9月より現在までにmicrosurgeryを応用した70歳以上の高齢者9例10肢を対象とした(表1). いずれも男性であった. 再建術式は, 遊離複合組織移植が3例4肢, 再接着が2例2指, 血行再建が2例2肢, 神経縫合が2例2指であった. これらの症例に対し術中所見, 術中, 術後合併症, 生着率について調査した. 結果 術中に動脈硬化を5例6肢中3例4肢に認めた. 血管縫合はいずれも可能で合併症を生じなかった. 静脈移植は皮弁移植術の1例に併用したが生着した. 壊死したのは再接着術の1例であり, 生着率は87.5%であった. 術後静脈血栓を合併した1例は術翌日に静脈移植を行い救済できた.
ISSN:0037-1033