頭蓋内モニター時の圧波出現条件の検討

頭蓋内圧の連続記録は圧の推移や圧波およびその病態に及ぼす影響を知る上で近年一層重視されてきている. この中でしばしばみられる圧波については, 1958年Janny5)により報告がなされ, その後Lundberg9)の広汎な観察により体系化された. 以来, 頭蓋内疾患を有する患者の病態におけるその出現機序や病態への影響については多くの報告がなされているが,なお十分な見解が得られていない. 著者らは, 患者モニターを行う上で, 無侵襲で長期に併記しうる呼吸運動との関連について注目してきたが, これは睡眠との関連をみる上でも有用なパラメーターとなることを経験した3). 今回は, 頭蓋内圧と呼吸運動お...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 20; no. 6; pp. 555 - 562
Main Authors 口脇博治, 古瀬和寛, 蓮尾道明, 中矢武彦, 当山清紀, 寺岡正晴, 景山直樹, 池山淳, 坂野公一, 間部英雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1980
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Summary:頭蓋内圧の連続記録は圧の推移や圧波およびその病態に及ぼす影響を知る上で近年一層重視されてきている. この中でしばしばみられる圧波については, 1958年Janny5)により報告がなされ, その後Lundberg9)の広汎な観察により体系化された. 以来, 頭蓋内疾患を有する患者の病態におけるその出現機序や病態への影響については多くの報告がなされているが,なお十分な見解が得られていない. 著者らは, 患者モニターを行う上で, 無侵襲で長期に併記しうる呼吸運動との関連について注目してきたが, これは睡眠との関連をみる上でも有用なパラメーターとなることを経験した3). 今回は, 頭蓋内圧と呼吸運動および臨床所見との相互の対比を行い, 圧波出現条件について検討した. 特に, 出現条件の相異からA波の区分を試み, さらに各種圧波の出現条件について分析し, 圧波と病態変化との関連について検討を加えた.
ISSN:0470-8105