脊椎病変に対するCT biopsyの小経験

「はじめに」脊椎疾患においてMRI等の発達により早期に異常を発見されることが多くなってきたが, 臨床症状, 血液データ, 画像所見のみにより診断を確定するのは困難であり, 組織学的検査が必要になることが多い. 一方で椎体特に胸椎レベルには重要臓器が隣接しており, biopsyに際してはかなりの危険を伴う. 近年我々はこれらに対してCTを用いた安全な方法を実施しているので若干の文献的考察を加え報告する. 対象 この1年間で脊椎疾患に対してbiopsyを施行したのは15例であり, そのうちCTを用いたのは8例であった. 部位別では胸椎6例, 腰椎1例, 仙骨部1例であった. 全例に組織学的診断を得...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 1; pp. 19 - 22
Main Authors 薗田恭輔, 永田見生, 有吉護, 井本浩樹, 真島武, 柳東次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」脊椎疾患においてMRI等の発達により早期に異常を発見されることが多くなってきたが, 臨床症状, 血液データ, 画像所見のみにより診断を確定するのは困難であり, 組織学的検査が必要になることが多い. 一方で椎体特に胸椎レベルには重要臓器が隣接しており, biopsyに際してはかなりの危険を伴う. 近年我々はこれらに対してCTを用いた安全な方法を実施しているので若干の文献的考察を加え報告する. 対象 この1年間で脊椎疾患に対してbiopsyを施行したのは15例であり, そのうちCTを用いたのは8例であった. 部位別では胸椎6例, 腰椎1例, 仙骨部1例であった. 全例に組織学的診断を得, 脊椎腫瘍3例, 転移性骨腫瘍2例, 脊椎カリエス2例, 化膿性脊椎炎1例であった. 方法 biopsyに使用する器具は生検針類およびこれを誘導するガイド, パンチにより構成されている(図1). biopsy時の体位は腹臥位であり, 患者の呼吸を妨げないように胸部と下腹部に薄いマットを置く(図2). 刺入側は下大静脈の損傷を避ける意味で原則として左側としているが, 病巣が偏在し骨破壊を伴う場合は, 椎体の圧壊を防ぐために病巣側より刺入している.
ISSN:0037-1033