人工股関節再置換例の検討

「はじめに」股関節に高度の機能障害を有する患者にとって,人工股関節置換術(THA)は無痛の支持性,可動性をもたらす確立した治療法である.一方,術後経過年数が増加するにつれ,ゆるみをはじめとする様々な原因によって,再置換を余儀なくされる症例も増えてきている.我々は1988年以降,骨セメントを用いた人工股関節再置換術を行っており,それらの症例について検討したので報告する.「対象と方法」1988年より1995年までの当科における人工股関節症例は121例であり,うち再置換例は10例10股であった.このうち当科で初回手術が行われたのは3例であり,7例は他施設で初回手術が行われていた.男性3例,女性7例で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 2; pp. 386 - 389
Main Authors 菊川憲志, 山鹿眞紀夫, 井手淳二, 大橋浩太郎, 北村歳男, 田上学, 平井康裕, 高木克公
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1997
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」股関節に高度の機能障害を有する患者にとって,人工股関節置換術(THA)は無痛の支持性,可動性をもたらす確立した治療法である.一方,術後経過年数が増加するにつれ,ゆるみをはじめとする様々な原因によって,再置換を余儀なくされる症例も増えてきている.我々は1988年以降,骨セメントを用いた人工股関節再置換術を行っており,それらの症例について検討したので報告する.「対象と方法」1988年より1995年までの当科における人工股関節症例は121例であり,うち再置換例は10例10股であった.このうち当科で初回手術が行われたのは3例であり,7例は他施設で初回手術が行われていた.男性3例,女性7例であり,手術時平均年齢は,73歳(56~86歳)であった.再置換後の平均観察期間は3年5ケ月(8ケ月~7年)であった.原疾患は,大腿骨頚部骨折5例,大腿骨頭無腐性壊死3例(片側が2例,両側が1例),変形性股関節症2例(2例とも両側例)であった.検討項目は,1)初回手術から再置換までの期間,2)手術時間,出血量,3)再置換に至った原因,4)再置換法,5)再置換前後のJOA scoreである.「結果」(1)初回手術から再置換までの期間は1年1ケ月から15年,平均5年4ケ月であった.
ISSN:0037-1033