手根管症候群に対する鏡視下手術の経験
「はじめに」手根管症候群に対し手術後の瘢痕, 術後早期復帰を考え, 数多くの術式1)がある. 近年奥津3)はOne portal techniqueでの鏡視下手術を発表している. 今回私達は, スミスアンドネフュー社のダイオニクスエクトラIIを用い, Two portal techniqueでの手根管開放術を23名30手に施行したので報告する. Tow portal techniqueによる鏡視下手術 使用した器材はスミスアンドネフユー社のダイオニクスIIである. 手術法は手関節刺入口は遠位手関節皮膚線より, 中枢約1cmで, 長掌腱より尺側に引いた1.5~2cmの部位とし, この部より皮下組...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 4; pp. 1064 - 1066 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1996
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」手根管症候群に対し手術後の瘢痕, 術後早期復帰を考え, 数多くの術式1)がある. 近年奥津3)はOne portal techniqueでの鏡視下手術を発表している. 今回私達は, スミスアンドネフュー社のダイオニクスエクトラIIを用い, Two portal techniqueでの手根管開放術を23名30手に施行したので報告する. Tow portal techniqueによる鏡視下手術 使用した器材はスミスアンドネフユー社のダイオニクスIIである. 手術法は手関節刺入口は遠位手関節皮膚線より, 中枢約1cmで, 長掌腱より尺側に引いた1.5~2cmの部位とし, この部より皮下組織を鈍的に剥離し筋膜を出し, これを切開し, 正中神経確認後カーブドブラインドディセクターで十分に剥離し, このディセクターの先端を横手根靱帯の遠位で触知できるようにする. 次に母指を最大外転し, 母指の遠位から手掌に直線を引き, III, IV指の指間からこの直線に直角に引いた線の交わるところをカニューレの出口とした. そしてこの出口の部を縦切し, 手掌腱膜の一部を切除し, カニューレが容易に出るようにしている. このカニューレに前腕部より内視鏡を入れて横手根靱帯を確認する. 綿棒で掃くとはっきり見える. 又, プローブを内視鏡と反対側から入れて, 正中神経がスリットから出てきていないか確認する. |
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ISSN: | 0037-1033 |