腰部脊柱管狭窄症の最小侵襲除圧内視鏡下椎弓切除術 (MEL) から経皮的内視鏡下椎弓切除術 (PEL) への発展

腰部脊柱管狭窄(すべり症Myerding 1度まで)に対する後方除圧術として当科では片側進入両側除圧を2004年open手術として開始, 同コンセプトのもと2006年からMEL (Micro Endoscopic Laminotomy)を, 2014年からはPEL (percutaneous endoscopic laminotomy)を導入した. MELの導入により除圧部に到達するまでの腰椎後方支持組織への侵襲は低減され, 特にPELで激減し術中の出血も計測不能と極少量となった. PEL, MEL, openの3群間の比較では臨床成績はいずれも良好であった. 灌流下に行う水中手術PELでは,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 3; pp. 409 - 411
Main Authors 吉兼浩一, 飯田圭一郎, 大江健次郎, 深川真吾, 平田正伸, 島田英二郎, 西井章裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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Summary:腰部脊柱管狭窄(すべり症Myerding 1度まで)に対する後方除圧術として当科では片側進入両側除圧を2004年open手術として開始, 同コンセプトのもと2006年からMEL (Micro Endoscopic Laminotomy)を, 2014年からはPEL (percutaneous endoscopic laminotomy)を導入した. MELの導入により除圧部に到達するまでの腰椎後方支持組織への侵襲は低減され, 特にPELで激減し術中の出血も計測不能と極少量となった. PEL, MEL, openの3群間の比較では臨床成績はいずれも良好であった. 灌流下に行う水中手術PELでは, 操作部位の直上まで内視鏡が到達でき拡大された良好な視野のもと安全な除圧が行える利点のある一方, ごく僅かの出血でも視野障害に陥りやすい欠点も表裏一体として挙げられる. 出血部位の特徴を押さえ, 術中の厳密な出血コントロールが手術の要点となる. 対応策を含め系統だった手技の確立が必要である. 内視鏡下低侵襲脊椎手術ではワーキングチャンネルは狭く, 器械の取扱い等手技の習得にはラーニングカーブがある.
ISSN:0037-1033