Yersinia pseudotuberculosis感染による急性尿細管間質性腎炎リスクファクターの検討

「要旨」Yersinia pseudotuberculosis(Ypt)は健康小児の急性腎不全の原因として重要である. 今回われわれはYpt集団感染をした5例を経験し, そのうち2例が急性腎不全を合併した. 2例の便培養からYpt 5aが検出され, 他の2例は血清抗体価の上昇にて診断した. もう1例は抗Yersinia pseudotuberculosis derived mitogen(YPM)抗体の上昇を認めた. 腎不全を合併した2例は腎生検を施行し, 尿細管間質性腎炎(TIN)と診断した. TINを合併した症例と非TIN症例で血清サイトカインを測定し比較したところ, TIN症例で可溶性腫...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 26; no. 2; pp. 187 - 193
Main Authors 深山雄大, 和田尚弘, 鵜野裕一, 山田昌由, 北山浩嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児腎臓病学会 15.11.2013
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ISSN0915-2245

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Summary:「要旨」Yersinia pseudotuberculosis(Ypt)は健康小児の急性腎不全の原因として重要である. 今回われわれはYpt集団感染をした5例を経験し, そのうち2例が急性腎不全を合併した. 2例の便培養からYpt 5aが検出され, 他の2例は血清抗体価の上昇にて診断した. もう1例は抗Yersinia pseudotuberculosis derived mitogen(YPM)抗体の上昇を認めた. 腎不全を合併した2例は腎生検を施行し, 尿細管間質性腎炎(TIN)と診断した. TINを合併した症例と非TIN症例で血清サイトカインを測定し比較したところ, TIN症例で可溶性腫瘍壊死因子受容体(sTNFR)-1, sTNFR-2, インターロイキン(IL)-6, IL-17, 可溶性インターロイキン-2受容体α(sIL-2Rα)の明らかな高値を認めた. 特にsTNFRの上昇は著しく, 腎障害進展に腫瘍壊死因子(TNF)-αが関与している可能性が示唆された.
ISSN:0915-2245