上腕骨頚部骨折に対するhook plateの使用経験

目的 近年, 高齢者社会を迎え骨粗鬆症に関連する上腕骨頚部骨折は多く見られるようになったが, その固定は難渋する事が多い. 今回我々は上腕骨頚部骨折に対しhook plateを用い良好な成績が得られたので報告する. 材料及び方法 1995年6月から当科で施行した上腕骨頚部骨折の観血的治療は8例で, このうち4例にhook plateを用いた. 平均年齢は63.8歳であり, 全例女性であった. 左側2例, 右側2例, Neer1)の分類にて2part2例, 3part2例であった. 術後平均経過観察期間は10. 8ケ月であり, 日整会肩関節疾患治療成績判定基準(以下JOA score)にて判定し...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 3; pp. 829 - 831
Main Authors 安藤則行, 田中信博, 高宮啓彰, 永田見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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Summary:目的 近年, 高齢者社会を迎え骨粗鬆症に関連する上腕骨頚部骨折は多く見られるようになったが, その固定は難渋する事が多い. 今回我々は上腕骨頚部骨折に対しhook plateを用い良好な成績が得られたので報告する. 材料及び方法 1995年6月から当科で施行した上腕骨頚部骨折の観血的治療は8例で, このうち4例にhook plateを用いた. 平均年齢は63.8歳であり, 全例女性であった. 左側2例, 右側2例, Neer1)の分類にて2part2例, 3part2例であった. 術後平均経過観察期間は10. 8ケ月であり, 日整会肩関節疾患治療成績判定基準(以下JOA score)にて判定した. 手術はdeltopectral approachにて上腕骨近位部前面を展開した. 骨折転位した骨頭を整復しK-wireにて仮固定を行った後, 骨頭のフック刺入部を2.5mm径でドリルしておき, その深さ及び角度を測定しフックのbendingを行う. 次にhook plateを打ち込み骨幹部にscrewで固定する. 必要に応じて非吸収性の糸にて腱板の付着した結節を引き下ろす様に縫着する. 結果及び症例 症例1(図1) 78歳女性, 歩行中転倒, 右肩を打撲し受傷, 近医入院し整復固定うけるも, 整復位の固定が困難な為紹介入院, 2partの骨折であった.
ISSN:0037-1033