東京ガイドライン2013 (TG13) による急性胆管炎・胆嚢炎診療

「要旨」:2013年1月に日本語版と国際版共通の急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン改訂版Tokyo Guidelines 2013(以下TG13)が出版された. 要点, 注意するべき点および新たなevidenceについて概説した. 急性胆管炎については, 診断基準から腹痛が除かれ, 中等症の判定基準に具体的な項目が設定されたため初診時の判定が可能となった. 急性胆嚢炎については, 診断基準で画像所見が必須になった. 急性胆嚢炎に対する早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術の有用性を示すevidenceは多いが, 中等症に対する有用性と待機手術の至適時期は明らかになっていないため, 注意が必要である. 医療関...

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Published in胆道 Vol. 29; no. 4; pp. 762 - 768
Main Authors 三浦文彦, 佐野圭二, 天野穂高, 吉田雅博, 高田忠敬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2015
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ISSN0914-0077

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Summary:「要旨」:2013年1月に日本語版と国際版共通の急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン改訂版Tokyo Guidelines 2013(以下TG13)が出版された. 要点, 注意するべき点および新たなevidenceについて概説した. 急性胆管炎については, 診断基準から腹痛が除かれ, 中等症の判定基準に具体的な項目が設定されたため初診時の判定が可能となった. 急性胆嚢炎については, 診断基準で画像所見が必須になった. 急性胆嚢炎に対する早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術の有用性を示すevidenceは多いが, 中等症に対する有用性と待機手術の至適時期は明らかになっていないため, 注意が必要である. 医療関連感染では耐性菌の検出率が高いが, 胆管ステント留置例に発症した急性胆管炎・胆嚢炎は医療関連感染として扱うべきである. 「はじめに」急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドラインは, 2005年9月に日本語版第1版が, 2007年1月に国際版第1版(Tokyo Guideliens 2007, 以下TG07)が発刊され, 2013年1月に日本語版と国際版共通の改訂版Tokyo Guidelines 2013(以下TG13)が出版された.
ISSN:0914-0077