若年者の腰部椎間板ヘルニアに対する経皮的椎間板摘出術(PD)の術後成績

「はじめに」若年者腰部椎間板ヘルニア(LDH)に対しては観血的治療として従来LOVE法によるヘルニア摘出術が行われ, 良好な成績が報告されてきたが, 術後のスポーツ復帰時期や運動能力に問題点がある. 若年者LDHの治療では早期の学業復帰などが可能な最小限の手術侵襲によるものが望ましい. 今回我々は, 若年者LDHに対し適応を限定して経皮的椎間板摘出術(PD)を施行し, 術後成績やスポーツ, クラブ活動等への復帰状況等について検討した. また同時期にその適応外の症例に対して行ったLOVE法の成績と比較検討した. 対象及び方法 当科における腰部椎間板ヘルニアの観血的治療のうちPDの適応条件は1)保...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; pp. 1099 - 1101
Main Authors 井本浩樹, 永田見生, 大橋輝昭, 有吉護, 石橋和順, 薗田恭輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1997
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」若年者腰部椎間板ヘルニア(LDH)に対しては観血的治療として従来LOVE法によるヘルニア摘出術が行われ, 良好な成績が報告されてきたが, 術後のスポーツ復帰時期や運動能力に問題点がある. 若年者LDHの治療では早期の学業復帰などが可能な最小限の手術侵襲によるものが望ましい. 今回我々は, 若年者LDHに対し適応を限定して経皮的椎間板摘出術(PD)を施行し, 術後成績やスポーツ, クラブ活動等への復帰状況等について検討した. また同時期にその適応外の症例に対して行ったLOVE法の成績と比較検討した. 対象及び方法 当科における腰部椎間板ヘルニアの観血的治療のうちPDの適応条件は1)保存治療に抵抗性あり, 2)MRI及びDiscographyでヘルニアのタイプはsubligamentous extrusion以下, 3)高度な下肢麻痺なし, 4)椎体間のinstabilityなし, 以上の4点としてその他の症例にはLove法を施行した. PDの症例は男性13例, 女性5例の18例で平均年齢16.4歳, 平均follow-up期間は20.8ヵ月であった. ヘルニアの高位はL4/5が11例L5/S1が2例ありヘルニアのタイプはprotrusion6例, extrusion12例であった. 同時期にLove法を行ったのは男性10例, 女性4例の14例で平均年齢15.5歳, 平均follow-up期間は29.2ヵ月であった. ヘルニア高位はL3/4が1例, L4/5が9例, L5/Sが4例であった. 検討項目として術後成績はMacnabの分類に従い評価し, 腰痛, SLR test, スポーツ復帰状況についても検討した.
ISSN:0037-1033