画像診断上深達度Mと診断したリンパ管侵襲陽性SM1分化型小胃癌の一例

症例は75歳男性. 胃癌検診のため当院にて上部消化管内視鏡検査施行. 胃前庭部前壁に小発赤を認め, 生検にてGroupV(tub2)のため, 精査治療目的で当院に入院となった. 上部消化管造影検査, 上部消化管超音波内視鏡検査等施行し, 深達度M, Type0'IIcの胃癌と診断し, 内視鏡的粘膜切除術(切開剥離法)を施行した. 病理組織検査で病変はType0'IIa+IIc, 大きさは6×5mm, 粘膜筋板より378μm粘膜下層に浸潤しており, 脈管侵襲は陰性であったが, リンパ管侵襲は陽性であった. 組織型はtub2であった. リンパ管侵襲が陽性であったことから, 患者...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 32; no. 3; pp. 147 - 152
Main Authors 石井学, 武田昌治, 楠裕明, 本多啓介, 鎌田智有, 古賀秀樹, 畠二郎, 垂水研一, 藤田穣, 佐藤元紀, 田中俊昭, 黒瀬浩通, 山中義之, 平林葉子, 平井敏弘, 伊禮功, 定平吉都, 春間賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2006
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ISSN0386-5924

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Summary:症例は75歳男性. 胃癌検診のため当院にて上部消化管内視鏡検査施行. 胃前庭部前壁に小発赤を認め, 生検にてGroupV(tub2)のため, 精査治療目的で当院に入院となった. 上部消化管造影検査, 上部消化管超音波内視鏡検査等施行し, 深達度M, Type0'IIcの胃癌と診断し, 内視鏡的粘膜切除術(切開剥離法)を施行した. 病理組織検査で病変はType0'IIa+IIc, 大きさは6×5mm, 粘膜筋板より378μm粘膜下層に浸潤しており, 脈管侵襲は陰性であったが, リンパ管侵襲は陽性であった. 組織型はtub2であった. リンパ管侵襲が陽性であったことから, 患者(医師)に充分な医療情報を提供し, 同意のもと, 腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行したが, リンパ節転移は認めなかった.
ISSN:0386-5924