両大血管右室起始症と心房中隔欠損症を合併した右胸心の1手術治験例
100/50mmHgの肺高血圧を有するsnbaortic VSD型DORV+ASD+鏡面像型右胸心の12歳女児に対し, ダクロンパッチによるVSDから大動脈へのトンネルパッチ作製及びASD閉鎖術を行った. 術後合併症なく極めて順調に経過し, 肺動脈圧は45/22mmHgへ低下した. 極めてまれなsubaortic VSD型DORV, ASD, 鏡面像型右胸心の合併例の外科治療に成功したので文献的考察も加えて報告する. (平成元年6月23日採用)「はじめに」両大血管右室起始症(double outlet right ventricle, DORV)は病型が多彩であるぼかりでなく, 他の心奇形を合...
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Published in | 川崎医学会誌 Vol. 15; no. 3; pp. 532 - 537 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
川崎医学会
1989
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-5924 |
Cover
Summary: | 100/50mmHgの肺高血圧を有するsnbaortic VSD型DORV+ASD+鏡面像型右胸心の12歳女児に対し, ダクロンパッチによるVSDから大動脈へのトンネルパッチ作製及びASD閉鎖術を行った. 術後合併症なく極めて順調に経過し, 肺動脈圧は45/22mmHgへ低下した. 極めてまれなsubaortic VSD型DORV, ASD, 鏡面像型右胸心の合併例の外科治療に成功したので文献的考察も加えて報告する. (平成元年6月23日採用)「はじめに」両大血管右室起始症(double outlet right ventricle, DORV)は病型が多彩であるぼかりでなく, 他の心奇形を合併することも多く, 外科治療に際しては各症例の解剖学的異常を正確に把握することが重要とされている, 我々は鏡面像型右胸心(ILL)に両大血管右室起始症(DORV)さらに心房中隔欠損症(ASD)を合併した極めてまれな1症例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 症例 症例:12歳, 女児 主訴:体動時の動悸, 息切れ 家族歴:特記すべきことなし 現病歴:満期正常分娩にて出生, 生下時体重2000gの未熟児であったが, チアノーゼはみられず, 哺乳力も普通であった. |
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ISSN: | 0386-5924 |