急性化膿性骨髄炎の核医学診断特に活動性の評価について

99mTc標識リン酸化合物による骨シンチグラフィと67Gaシンチグラフィを急性化膿性骨髄炎患者35例に行い, その診断と治療効果の評価における有用性を検討した. 両シンチグラフィの集積度を4段階に分類し, 治療による変化を観察するとともに, 炎症の指標である赤沈値との比較・検討を行った. 病巣の早期検出に関しては, 骨シンチグラフィ(34/35, 97%)および67Gaシンチグラフィ(19/20, 95%)はともにほぼ同等の陽性率であった. 治療導入後67Gaシンチグラフィは骨シンチグラフィよりも早期に集積度の低下を示した. さらに, 67Ga-citrateの集積は, 赤沈値や臨床症状と良好...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 14; no. 3; pp. 449 - 458
Main Authors 犬房秋彦, 福永仁夫, 大塚信昭, 小野志磨人, 永井清久, 森田浩一, 柳元真一, 友光達志, 森田陸司, 渡辺良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 1988
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Summary:99mTc標識リン酸化合物による骨シンチグラフィと67Gaシンチグラフィを急性化膿性骨髄炎患者35例に行い, その診断と治療効果の評価における有用性を検討した. 両シンチグラフィの集積度を4段階に分類し, 治療による変化を観察するとともに, 炎症の指標である赤沈値との比較・検討を行った. 病巣の早期検出に関しては, 骨シンチグラフィ(34/35, 97%)および67Gaシンチグラフィ(19/20, 95%)はともにほぼ同等の陽性率であった. 治療導入後67Gaシンチグラフィは骨シンチグラフィよりも早期に集積度の低下を示した. さらに, 67Ga-citrateの集積は, 赤沈値や臨床症状と良好な相関を示した. このように, 67Gaシンチグラフィは急性化膿性骨髄炎の早期発見や治療効果の評価に有用であることが示された. 「I. 緒言」従来より, 急性化膿性骨髄炎の診断や治療効果の評価に, 骨X線像や血液・生化学検査が施行されているが, 時に早期診断, 病変部の拡がりや病勢の判定に困難な症例に遭遇することがある.
ISSN:0386-5924