マイクロ波凝固術後に著しい膀胱結石を形成した1例

膀胱癌に対する治療の1つとして, 経尿道的マイクロ波凝固術が施行されている. 今回, 我々は経尿道的マイクロ波凝固術後に著しい膀胱結石を形成した1例を経験したので報告する. 症例 70歳, 男性. 主訴:頻尿, 排尿痛既往歴:高血圧症 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2000年3月23日, 膀胱癌に対して経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)及び経尿道的マイクロ波凝 固術(TUMCT)を施行した. 腫瘍は両側壁に2cm大及び1cm大の2個であり(図1), 組織学的にはTCC, G2, pTaNOMOであった. TUMCTには同軸ケーブル型の凝固用アプリケーターを用い, 出力100W, 2...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 22; pp. 167 - 170
Main Authors 藤枝, 信夫, 原田, 忠, 木暮, 輝明, 由利, 康裕, 福田, 孝, 宮形, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2004
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.22.167

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Summary:膀胱癌に対する治療の1つとして, 経尿道的マイクロ波凝固術が施行されている. 今回, 我々は経尿道的マイクロ波凝固術後に著しい膀胱結石を形成した1例を経験したので報告する. 症例 70歳, 男性. 主訴:頻尿, 排尿痛既往歴:高血圧症 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2000年3月23日, 膀胱癌に対して経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)及び経尿道的マイクロ波凝 固術(TUMCT)を施行した. 腫瘍は両側壁に2cm大及び1cm大の2個であり(図1), 組織学的にはTCC, G2, pTaNOMOであった. TUMCTには同軸ケーブル型の凝固用アプリケーターを用い, 出力100W, 20秒間の凝固を繰り返した. 術後に抗悪性腫瘍薬の膀胱内注入療法を施行したが, 膀胱刺激症状のため同年5月に中止し, 症状は軽快した. 同年11月頃から再度頻尿, 排尿時痛が増強し, 12月11日の膀胱鏡検査で2cm大の結石が6個あり, 膀胱粘膜も広範に石灰化で覆われていたため, 12月12日入院した. 入院時検査所見:尿検査で著明な顕微鏡的血尿と膿尿を認める以外に特記すべき所見なし.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.22.167