頭頸部癌でFDG-PETが有用であった2症例

2006年12月, 当院にもようやくFDG-PET/CTが導入された. FDG-PET(2-[18F]fluoro-2-deoxy-D-glucose positoron emission tomography)は, 腫瘍のグルコース代謝を反映し, 一般に悪性度の高い腫瘍ほどグルコース代謝が亢進して強く集積する. 頭頸部領域では2002年4月から, FDG-PETを用いての頭頸部悪性腫瘍の診断が保険適応となった. FDGを用いたPETは, 頭頸部領域における癌の原発巣や, 頸部のリンパ節転移を診断するのに, 従来の画像診断に比べ早期に診断が可能である. またCTやMRIでは原発巣が判明しなかっ...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 34; no. 2; pp. 125 - 132
Main Authors 森幸威, 文珠正大, 小坂史郎, 舘俊廣, 福島久毅, 宇野雅子, 粟飯原輝人, 西池季隆, 秋定健, 原田保, 吉川邦彦, 曽根照喜, 福永仁夫, 増田勝巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2008
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ISSN0386-5924

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Summary:2006年12月, 当院にもようやくFDG-PET/CTが導入された. FDG-PET(2-[18F]fluoro-2-deoxy-D-glucose positoron emission tomography)は, 腫瘍のグルコース代謝を反映し, 一般に悪性度の高い腫瘍ほどグルコース代謝が亢進して強く集積する. 頭頸部領域では2002年4月から, FDG-PETを用いての頭頸部悪性腫瘍の診断が保険適応となった. FDGを用いたPETは, 頭頸部領域における癌の原発巣や, 頸部のリンパ節転移を診断するのに, 従来の画像診断に比べ早期に診断が可能である. またCTやMRIでは原発巣が判明しなかった, 原発不明頸部リンパ節転移癌に対しても有用である. また同時に遠隔転移の有無も把握することができる. 私達は当院にFDG-PETが導入されてまだ日が浅いにもかかわらず, 臨床的に極めて有用であった症例を経験した. 原発巣の診断にFDG-PETが有用であった症例と, 局所再発の診断にFDG-PETが有用であった症例の2症例である. これらの症例は, いずれもCTやMRIなどの従来の画像診断では診断が困難な症例であった.
ISSN:0386-5924