溶融アルカリ水酸化物によるフロン12の分解処理 ラボスケール試験装置によるフロン12分解性能の確認

フロン12を空気のような酸化剤を含まない方式により分解するため, 溶融アルカリ水酸化物による分解を試みた。本試験では, まず基本的な運転条件を把握するため, 比較的短時間での溶融アルカリ水酸化物 (NaOH, KOH) の温度, 処理ガスの濃度および流量を変化させ, 処理しようとするガスの分解率との関係について検討した。その結果, フロン12は不活性ガス雰囲気下において溶融アルカリ水酸化物と450℃以上の温度で顕著に反応し, 反応温度600℃, 吹き込み流量500mL/min (フロン12濃度10vo1%) の条件で分解率は70%程度であることがわかった。また, 24時間程度の比較的長い処理時...

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Published in廃棄物学会論文誌 Vol. 16; no. 4; pp. 272 - 279
Main Authors 石井, 新一, 東海林, 裕一, 朝倉, 祝治, 佐藤, 望, 山本, 惠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 31.07.2005
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ISSN1883-1648
1883-163X
DOI10.3985/jswme.16.272

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Summary:フロン12を空気のような酸化剤を含まない方式により分解するため, 溶融アルカリ水酸化物による分解を試みた。本試験では, まず基本的な運転条件を把握するため, 比較的短時間での溶融アルカリ水酸化物 (NaOH, KOH) の温度, 処理ガスの濃度および流量を変化させ, 処理しようとするガスの分解率との関係について検討した。その結果, フロン12は不活性ガス雰囲気下において溶融アルカリ水酸化物と450℃以上の温度で顕著に反応し, 反応温度600℃, 吹き込み流量500mL/min (フロン12濃度10vo1%) の条件で分解率は70%程度であることがわかった。また, 24時間程度の比較的長い処理時間においても分解が問題なく継続できた。基本的には下記に示す化学反応によりフロンの分解が生じていると推定した。 CCl2F2+6 (Na・K) OH→ (Na・K) 2CO3+2 (Na・K) C1+2 (Na・K) F+3H2O
ISSN:1883-1648
1883-163X
DOI:10.3985/jswme.16.272