Gastrointestinal stromal tumor (GIST)の骨転移に対するメシル酸イマチニブの使用経験

われわれは直腸原発GISTの術後7年目の肩甲骨転移に対して,メシル酸イマチニブ(商品名グリベック)を使用した症例を経験した.症例は67歳男性で, 1996年直腸粘膜下腫瘍で腹会陰式直腸切断術を行い,病理診断はleiomyosarcomaであった. 1998年肝転移に対して切除術を実施した. 2002年10月右上肢のしびれを自覚し,胸部写真,胸部CTで右第2肋骨に腫瘍を認めた.直腸腫瘍の骨転移と診断し,前方アプローチで1, 2肋骨を含め腫瘍切除術を施行し,病理診断はc-kit陽性のmalignant GISTであった.術後骨シンチグラフィーなどで右肩甲骨へも転移が疑われたため,現在外来でメシル酸...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 8; pp. 2273 - 2277
Main Authors 岡島, 正純, 吉岡, 伸吉郎, 浅原, 利正, 赤山, 幸一, 宮田, 義浩, 善家, 由香里
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.08.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.2273

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Summary:われわれは直腸原発GISTの術後7年目の肩甲骨転移に対して,メシル酸イマチニブ(商品名グリベック)を使用した症例を経験した.症例は67歳男性で, 1996年直腸粘膜下腫瘍で腹会陰式直腸切断術を行い,病理診断はleiomyosarcomaであった. 1998年肝転移に対して切除術を実施した. 2002年10月右上肢のしびれを自覚し,胸部写真,胸部CTで右第2肋骨に腫瘍を認めた.直腸腫瘍の骨転移と診断し,前方アプローチで1, 2肋骨を含め腫瘍切除術を施行し,病理診断はc-kit陽性のmalignant GISTであった.術後骨シンチグラフィーなどで右肩甲骨へも転移が疑われたため,現在外来でメシル酸イマチニブを投与している.術後1年経過しているが,転移巣の増大は認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.2273