ミニコンピューターによる頭蓋内圧関連データの総合的表示

脳神経疾患における頭蓋腔内病的状態において, 脳灌流(cerebral perfusion pressure:CPP)を至適レベルに保つため, 頭蓋内圧(intracranial pressure:ICP)測定の臨床的意義は大きい. 1960年, Lundberg8)の持続的脳室圧モニターについての最初の報告以来, 持続的ICP測定の意義が認識されるようになった. しかし, チャートレコーダによるICPのアナログデータ記録は必ずしも十分な情報を供給しているとは言えず, また情報の二次的な処理も不可能であるが, 多くの場合, この不正確な方法により患者分類, 治療効果の判定, 統計的な分析が行わ...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 28; no. 5; pp. 455 - 459
Main Authors 原圭太, 中谷進, 尾崎孝次, 池田卓也, 最上平太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1988
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Summary:脳神経疾患における頭蓋腔内病的状態において, 脳灌流(cerebral perfusion pressure:CPP)を至適レベルに保つため, 頭蓋内圧(intracranial pressure:ICP)測定の臨床的意義は大きい. 1960年, Lundberg8)の持続的脳室圧モニターについての最初の報告以来, 持続的ICP測定の意義が認識されるようになった. しかし, チャートレコーダによるICPのアナログデータ記録は必ずしも十分な情報を供給しているとは言えず, また情報の二次的な処理も不可能であるが, 多くの場合, この不正確な方法により患者分類, 治療効果の判定, 統計的な分析が行われているのが現状である. 最近, マイクロコンピューターを用いたICPデータの処理に関する報告があるが, ICP動態の一部分だけを扱ったものが多い. 我々はミニコンピューターを用いてICP関連データの量的表示を行い, 一定期間内のICP亢進状態の客観的把握を試み, 頭蓋腔コンプライアンスの表示法を中心に, ICP関連データのサンプリング法, データ処理法, ディスプレイの方法について検討した. また, A波, B波の認識・検出法についても検討したので, 報告する.
ISSN:0470-8105