Ollier病の下肢変形に対するIlizarov法による治療経験

「はじめに」Ollier病は, 内軟骨腫が片側優位に長管骨骨幹端に多発するため, 脚長差と変形をもたらし, 小児期に歩行障害を呈する疾患である1). 今回, 下肢の脚長差を伴う角状変形に対し, Ilizarov法を用いた治療を施行したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例呈示」症例:9才4ケ月男児. 主訴:Ollier病による左下肢内反伸展変形, 及び左膝関節痛. 現病歴:4才時より歩行障害を主訴に他院受診し, Ollier病の診断を受ける. 7才4ケ月時, 左下肢変形, 脚長差による歩行困難にて, Orthofix創外固定器を使用し, 左大腿骨矯正骨切り+骨延長術施行された. 9才1ケ月...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 1; pp. 199 - 205
Main Authors 松田秀策, 高嶋明彦, 伊藤由美, 原寛道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」Ollier病は, 内軟骨腫が片側優位に長管骨骨幹端に多発するため, 脚長差と変形をもたらし, 小児期に歩行障害を呈する疾患である1). 今回, 下肢の脚長差を伴う角状変形に対し, Ilizarov法を用いた治療を施行したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例呈示」症例:9才4ケ月男児. 主訴:Ollier病による左下肢内反伸展変形, 及び左膝関節痛. 現病歴:4才時より歩行障害を主訴に他院受診し, Ollier病の診断を受ける. 7才4ケ月時, 左下肢変形, 脚長差による歩行困難にて, Orthofix創外固定器を使用し, 左大腿骨矯正骨切り+骨延長術施行された. 9才1ケ月頃より, 徐々に再変形と左膝関節痛が進行してきた. 前回からの経過:7才2ケ月時のX線では, 左大腿骨遠位骨幹端部に腫瘍が存在し, 25°内反変形と4.5cmの脚長差を認めた(図1). Orthofix創外固定器を用い, 左大腿骨遠位で30°外反骨切りと, 大腿骨近位で5.0cmの延長を施行した(図2).
ISSN:0037-1033