急性期重症頭部外傷におけるdiffuse cerebral swellingの臨床的検討

頭部外傷における急性脳腫脹は, 脳実質損傷に伴う挫傷性脳浮腫とは異なり, その本態はvasoparalysisによる脳血液量の増加(hyperemia)であるとの説が現在有力視されている3, 7, 14, 20, 24, 35)しかし, computed tomography(CT)の出現以前においてはその診断ははなはだ困難であり, 剖検例による報告がほとんどであった. その後CTの出現により, Zimmermanら35)(acute general cerebral swelling), Bruceら2)(diffuse cerebral swelling)がその臨床像やCT所見を報告して以...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 26; no. 4; pp. 296 - 303
Main Authors 斉藤昭人, 桑名信匡, 持松泰彦, 田中直樹, 吉田利之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1986
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ISSN0470-8105

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Summary:頭部外傷における急性脳腫脹は, 脳実質損傷に伴う挫傷性脳浮腫とは異なり, その本態はvasoparalysisによる脳血液量の増加(hyperemia)であるとの説が現在有力視されている3, 7, 14, 20, 24, 35)しかし, computed tomography(CT)の出現以前においてはその診断ははなはだ困難であり, 剖検例による報告がほとんどであった. その後CTの出現により, Zimmermanら35)(acute general cerebral swelling), Bruceら2)(diffuse cerebral swelling)がその臨床像やCT所見を報告して以来, この急性脳腫脹は注目されるようになってきた. しかし, これまで多くの報告があるにもかかわらず, いまだその臨床的解析は不十分である.
ISSN:0470-8105