椎体炎手術症例の検討

「はじめに」椎体炎患者における高齢化, Compromised hostの増加が指摘されている. 今回は, 当科にて過去に手術を行った椎体炎症例について若干の考察を加えて報告する.「対象と結果」1. 対象 過去12年間に当科で手術を行った椎体炎患者27例を対象とした. 男性17例, 女性10例. 年令は42~83歳, 平均62.4歳. 術後経過観察期間は, 5ケ月~12年であった. 2. 罹患高位 腰椎18例, 胸腰椎3例, 胸椎4例, 頸椎2例となっている. この内, 胸腰椎の1例のみ2椎間であり, 他は全て1椎間であった. 3. 起炎菌 培養にての同定は10例のみで, 全体の37%であった...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 877 - 880
Main Authors 福田朋博, 岡嶋啓一郎, 高野晴夫, 西芳徳, 村上直也, 藤井洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」椎体炎患者における高齢化, Compromised hostの増加が指摘されている. 今回は, 当科にて過去に手術を行った椎体炎症例について若干の考察を加えて報告する.「対象と結果」1. 対象 過去12年間に当科で手術を行った椎体炎患者27例を対象とした. 男性17例, 女性10例. 年令は42~83歳, 平均62.4歳. 術後経過観察期間は, 5ケ月~12年であった. 2. 罹患高位 腰椎18例, 胸腰椎3例, 胸椎4例, 頸椎2例となっている. この内, 胸腰椎の1例のみ2椎間であり, 他は全て1椎間であった. 3. 起炎菌 培養にての同定は10例のみで, 全体の37%であった. 内訳は, Staphylococcus aureusのうちMSSA 5例, MRSA 1例, Steptcoccus melleriが1例, Klebsiella pneumoniae 1例, Mycobacterium tuber culosis 1例となっている. 4. 基礎疾患 27症例中, 16例に何らかの基礎疾患を認めており, 糖尿病5例, 血液透析3例, 強直性脊椎炎2例, 肺結核1例, 急性胆のう炎治療中1例, 胆石術後1例, 肝細胞癌1例, 慢性関節リウマチ1例, 聴神経腫瘍術にてのステロイド内服中1例となっていた.
ISSN:0037-1033