筋力増強訓練により効果を認めたRimmed vacuole型遠位型ミオパチーの1症例

これまで進行性の神経筋疾患に対する筋力増強訓練は, 弱化した筋の過負荷につながる1,2)とされ, 積極的には行われていなかった. しかし, 1980年代後半から, 緩徐進行性の神経筋疾患に対して筋力増強訓練が行われ, その訓練効果が報告されている4,5). Rimmed vacuole型遠位型ミオパチーは, 20歳代に発症し, 前脛骨筋など下腿前面の足関節背屈筋群の筋力低下・筋萎縮による歩行時のつまずきを初発症状とすることが多い. 経過は緩徐進行性であるが, 発症後10年でも歩行可能なものから数年で歩行不能になるものまでかなり幅がある3). 我々は, 臨床症状と筋生検にてRimmed vacu...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 7; pp. 459 - 462
Main Authors 尾花正義, 玉利珠樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 2000
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ISSN0034-351X

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Summary:これまで進行性の神経筋疾患に対する筋力増強訓練は, 弱化した筋の過負荷につながる1,2)とされ, 積極的には行われていなかった. しかし, 1980年代後半から, 緩徐進行性の神経筋疾患に対して筋力増強訓練が行われ, その訓練効果が報告されている4,5). Rimmed vacuole型遠位型ミオパチーは, 20歳代に発症し, 前脛骨筋など下腿前面の足関節背屈筋群の筋力低下・筋萎縮による歩行時のつまずきを初発症状とすることが多い. 経過は緩徐進行性であるが, 発症後10年でも歩行可能なものから数年で歩行不能になるものまでかなり幅がある3). 我々は, 臨床症状と筋生検にてRimmed vacuole型遠位型ミオパチーと診断された1症例に対して, 積極的に筋力増強訓練を行うことで効果を認めたので報告する.
ISSN:0034-351X