ブロック治療歴を持つ三叉神経痛患者の神経減圧術後の後遺症状

三叉神経痛の治療として, 神経減圧術(microvascular decompression)は根治的方法として現在広く行われている5, 8). しかし, 種々な事情により, 現実には治療の第一選択として手軽で容易な神経ブロック治療が行われることも少なくない9). 神経ブロック療法では痛みの消失は通常一時的であり, 再発例ではブロックを繰り返すことになるが, 最終的には神経減圧術が行われる場合が多い. そして, このような場合に術後に痛みは消失してもしばしば神経ブロックによる副作用, すなわち知覚鈍麻や異常知覚などの障害が残存し, また時には異常知覚が術前と比較してより強く自覚されることが経験...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 28; no. 11; pp. 1103 - 1106
Main Authors 丹羽潤, 高谷了, 大滝雅文, 森本繁文, 田辺純嘉, 端和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1988
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ISSN0470-8105

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Summary:三叉神経痛の治療として, 神経減圧術(microvascular decompression)は根治的方法として現在広く行われている5, 8). しかし, 種々な事情により, 現実には治療の第一選択として手軽で容易な神経ブロック治療が行われることも少なくない9). 神経ブロック療法では痛みの消失は通常一時的であり, 再発例ではブロックを繰り返すことになるが, 最終的には神経減圧術が行われる場合が多い. そして, このような場合に術後に痛みは消失してもしばしば神経ブロックによる副作用, すなわち知覚鈍麻や異常知覚などの障害が残存し, また時には異常知覚が術前と比較してより強く自覚されることが経験される. 自験例を基にこれらの神経ブロック治療歴を持つ三叉神経痛症例における神経減圧術後の後遺症状について検討した.
ISSN:0470-8105