慢性関節リウマチ高度膝関節破壊例における人工膝関節置換の経験

「はじめに」慢性関節リウマチ(以下RA)に対する人工膝関節置換術(以下TKA)は一般的な手術法として定着し, 安定した術後成績を得ている. しかし, 高度変形例に対するTKAは決して容易でなく, より高度な手術手技を必要とする. 今回我々は高度な内反及び外反変形をきたしたRA膝に対するTKAを1例ずつ経験したので報告する. 「症例供覧」【症例1】68歳女性stage IV, class 3 1967年にRA発症し, 近医で保存的に加療されていた. 3年程前より左膝痛と変形が増悪し徐々に歩行困難となったため, 当科に紹介入院した. 入院時の左膝関節可動域は屈曲が40°伸展が-20°でJOA-sc...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; pp. 1133 - 1138
Main Authors 益山松三, 桑原茂, 金井純次, 篠原典夫, 木村千仭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」慢性関節リウマチ(以下RA)に対する人工膝関節置換術(以下TKA)は一般的な手術法として定着し, 安定した術後成績を得ている. しかし, 高度変形例に対するTKAは決して容易でなく, より高度な手術手技を必要とする. 今回我々は高度な内反及び外反変形をきたしたRA膝に対するTKAを1例ずつ経験したので報告する. 「症例供覧」【症例1】68歳女性stage IV, class 3 1967年にRA発症し, 近医で保存的に加療されていた. 3年程前より左膝痛と変形が増悪し徐々に歩行困難となったため, 当科に紹介入院した. 入院時の左膝関節可動域は屈曲が40°伸展が-20°でJOA-scoreは23点であった. 初診時の立位FTAは209度で徒手矯正にて内反変形はわずかに矯正されるのみであった. 術前のX線正面像にて著しい内反変形と脛骨内側の骨欠損を認め, 関節破隙はほぼ消失していた(図1-a). 術前に2 kgのスピードトラック牽引を1週間行った.
ISSN:0037-1033