Adenoma of the nipple (乳頭部腺腫)の1例

Adenoma of the nippleの1例を経験したので報告する.症例は37歳,女性.半年前から続く右乳頭部びらんを主訴に受診.右乳頭は腫大して弾性硬で,乳頭全体を1.5cm大の腫瘤として触知,乳頭頂部はびらんを形成していた.視触診でadenoma of the nippleと考え生検をした.良性ではあるが,難治性のびらんを伴っていたため,腫瘤を含めた乳頭全切除を行い,対側乳頭の1/3を用いて乳頭再建を施行した. Adenoma of the nippleは良性にもかかわらず,臨床的にも病理学的にもPaget病や乳頭腺管癌と判別が難しく,注意が必要である.臨床医が, adenoma of...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 8; pp. 2083 - 2085
Main Authors 樋口, 勝美, 古川, 清憲, 岩崎, 玲子, 古川, 恵子, 飯田, 信也, 田尻, 孝
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.08.2004
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Summary:Adenoma of the nippleの1例を経験したので報告する.症例は37歳,女性.半年前から続く右乳頭部びらんを主訴に受診.右乳頭は腫大して弾性硬で,乳頭全体を1.5cm大の腫瘤として触知,乳頭頂部はびらんを形成していた.視触診でadenoma of the nippleと考え生検をした.良性ではあるが,難治性のびらんを伴っていたため,腫瘤を含めた乳頭全切除を行い,対側乳頭の1/3を用いて乳頭再建を施行した. Adenoma of the nippleは良性にもかかわらず,臨床的にも病理学的にもPaget病や乳頭腺管癌と判別が難しく,注意が必要である.臨床医が, adenoma of the nippleの概念を持つことと,病理医にも存在部位を知らせることで,正確な診断を得ることができ,過大な乳房切除術を防ぐことが可能である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.2083