ラット摘出心灌流モデルによるカルシウム拮抗剤(Diltiazem)の虚血心筋保護効果に関する研究
Crystalloid cardioplegiaであるSt. Thomas' solutionにカルシウム拮抗剤の一つであるDiltiazemを加えisolated working rat heart modelを使用して心筋虚血実験を行いDiltiazemの心筋保護効果につき検討した. 虚血後, 大動脈流量回復率はDiltiazem添加により63.2±8.6%vs79.9±5.9%(STS vs STS+Diltiazem, mean±S.D.)と有意に(p<0.01)良好な回復を示し, 再冠灌流液中のCPKは87.5±35.8IU/20min/g dry wt vs 41....
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Published in | 川崎医学会誌 Vol. 20; no. 3; pp. 153 - 158 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
川崎医学会
1994
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ISSN | 0386-5924 |
Cover
Summary: | Crystalloid cardioplegiaであるSt. Thomas' solutionにカルシウム拮抗剤の一つであるDiltiazemを加えisolated working rat heart modelを使用して心筋虚血実験を行いDiltiazemの心筋保護効果につき検討した. 虚血後, 大動脈流量回復率はDiltiazem添加により63.2±8.6%vs79.9±5.9%(STS vs STS+Diltiazem, mean±S.D.)と有意に(p<0.01)良好な回復を示し, 再冠灌流液中のCPKは87.5±35.8IU/20min/g dry wt vs 41.7±14.5IU/20mim/g dry wt(STS vs STS+Diltiazer, mean±S.D.)と有意に(p<0.05)低値を示し, 虚血再灌流障害に対する心筋保護効果が認められ, この効果は虚血, 再灌流時の細胞内Ca-overloadを軽減したためと思われた. 「はじめに」心臓手術成績の向上には手術手技のみならず, 術中の心筋の虚血障害, 及び血流再開による再灌流障害を可及的に防止し, 術後速やかな心機能の回復を促す心筋保護対策が重要な課題となっている. その障害の1つの因子として虚血再灌流による心筋細胞内のCa-overload1)があり, これをいかに抑制, 防止するか諸施設で色々な観点から検討されてきた. |
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ISSN: | 0386-5924 |