臨床分離株に対するPiperacillinの抗菌力 経年的変動に関する検討
1985年6月に発足したピペラシリン研究会 (代表世話人, 上田泰東京慈恵会医科大学) における臨床5領域から収集された臨床分離株に対するpiperacillin (PIPC) 等のMICを測定し, 1976年に報告された日本化学療法学会新薬シンポジウムにおけるそれらの成績と比較検討した。 1) 接種菌量を106cfu/mlとした時のPIPCに対するMIC50, MIC80の成績は, Enterococcus faecalis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter spp., Pseudomonas aeruginosa,...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 36; no. Supplement7; pp. 4 - 16 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
20.12.1988
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Subjects | |
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement7_4 |
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Summary: | 1985年6月に発足したピペラシリン研究会 (代表世話人, 上田泰東京慈恵会医科大学) における臨床5領域から収集された臨床分離株に対するpiperacillin (PIPC) 等のMICを測定し, 1976年に報告された日本化学療法学会新薬シンポジウムにおけるそれらの成績と比較検討した。 1) 接種菌量を106cfu/mlとした時のPIPCに対するMIC50, MIC80の成績は, Enterococcus faecalis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter spp., Pseudomonas aeruginosa, Haemophilus influenzaeおよびBacteroides spp.では, 両者に大きな差を認めなかった。しかしながら, Staphylococcus aureusでは, MIC50が1.56μg/mlから50μg/ml, MIC80では6.25μg/mlから>100μg/mlへと大きく変動していた。 2) S. aureusにおけるそれらのpenicillins (PCs) 高度耐性株は, その大部分がmethicillin resistant Staphylocoocus ameus (MRSA) であった。 3) PIPCは, MRSAを除く主要な菌種における臨床分離株に対して現在も優れた抗菌力を有していることを確認した。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement7_4 |