慢性期ラクナ梗塞におけるリンパ球接着分子LFA-1・VLA-4と血管内皮接着分子ICAM-1・VCAM-1および脳血管障害危険因子との関連

脳梗塞発症24時間以内から3~5週にかけて, リンパ球接着分子LFA-1の発現が経時的に上昇することを報告した. 今回, 慢性期ラクナ梗塞40例, 健常対照25例を対象にリンパ球接着分子LFA-1, VLA-4とそのリガンドである血管内皮接着分子ICAM-1, VCAM-1を測定し, 脳血管障害危険因子との関連について検討した. LFA-1, VLA-4はflow cytometerを用いリンパ球の高発現分画(%)を, 可溶性(s)ICAM-1, sVCAM-1はELISA法で測定した. その結果, LFA-1α, βとsICAM-1はいずれも健常対照に比較し有意な高値を示した. 一方, VL...

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Published in脳卒中 Vol. 23; no. 4; pp. 316 - 324
Main Authors 高砂子由佳子, 野村恭一, 大野良三, 島津邦男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中学会 2001
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Summary:脳梗塞発症24時間以内から3~5週にかけて, リンパ球接着分子LFA-1の発現が経時的に上昇することを報告した. 今回, 慢性期ラクナ梗塞40例, 健常対照25例を対象にリンパ球接着分子LFA-1, VLA-4とそのリガンドである血管内皮接着分子ICAM-1, VCAM-1を測定し, 脳血管障害危険因子との関連について検討した. LFA-1, VLA-4はflow cytometerを用いリンパ球の高発現分画(%)を, 可溶性(s)ICAM-1, sVCAM-1はELISA法で測定した. その結果, LFA-1α, βとsICAM-1はいずれも健常対照に比較し有意な高値を示した. 一方, VLA-4βには有意差がなかったが, sVCAM-1は有意な高値を認めた. 脳血管障害危険因子との関係ではLFA-1α, βは喫煙, sVCAM-1は糖尿病, 喫煙で高値傾向を示した.
ISSN:0912-0726