化膿性脊椎炎の治療成績の検討
「はじめに」化膿性脊椎炎はMRIによる早期診断が可能となってきたが, 炎症所見が軽微な場合など診断に難渋することも多い. 今回当科にて治療した症例の診断方法および治療結果を検討した. 「対象」対象症例は1990年4月から1997年3月にかけて当科にて加療した化膿性脊椎炎29例で, 男性21例女性8例, 初診時年齢16歳~78歳(平均58.4歳), 経過観察期間は7ケ月~6年8ケ月(平均3年8ケ月)であった. 罹患高位は, 頚椎部3例, 胸椎部3例, 腰椎部24例で腰椎部が8割であり, 頚椎は全例C5/6であり, 腰椎ではL4/5が最多であった. 治療法は, 保存療法(抗生物質+装具療法)を22...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; pp. 1163 - 1167 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2001
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Summary: | 「はじめに」化膿性脊椎炎はMRIによる早期診断が可能となってきたが, 炎症所見が軽微な場合など診断に難渋することも多い. 今回当科にて治療した症例の診断方法および治療結果を検討した. 「対象」対象症例は1990年4月から1997年3月にかけて当科にて加療した化膿性脊椎炎29例で, 男性21例女性8例, 初診時年齢16歳~78歳(平均58.4歳), 経過観察期間は7ケ月~6年8ケ月(平均3年8ケ月)であった. 罹患高位は, 頚椎部3例, 胸椎部3例, 腰椎部24例で腰椎部が8割であり, 頚椎は全例C5/6であり, 腰椎ではL4/5が最多であった. 治療法は, 保存療法(抗生物質+装具療法)を22例, 手術(抗生物質+装具療法+手術)を7例に施行した. これらの症例を初診時におけるCRP値により4群に分け, 1mg/dl未満をA群, 1以上4未満をB群, 4以上10未満をC群, 10以上をD群とし, 臨床症状, 合併症, 画像所見, 治療法との関係について検討した. |
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ISSN: | 0037-1033 |